「フレディ 足 切断」はガセネタ!!

最近Web上で、QUEENやフレディに関する記事が一気に増えましたね。初めて知る面白情報も中にはあり(例えば『Live Magic』のクレジットでジム・ビーチがJim ‘Miami’ Beachと書かれたいたことは初めて知ってウォーってなりました笑)、とても楽しんで拝見していたのですが…

先日、Googleで「フレディ」と入れると、関連ワードで、「フレディ 足 切断」と出てきました。「なんだよーまた釣りで誰かがあおり記事でも書いてるんだろー」と思って、出てきた記事を見てみると、なんと「フレディ・マーキュリーは晩年、エイズのため足を切断していました」と断定して書かれていたのです!

え?嘘でしょ?そうだったの?(; ̄Д ̄)

いや、調べてみたところ、これはやっぱり完全にガセネタでした。ビックリしたー…

なぜこのようなことが書かれてしまっているのでしょうか?背景を調べてみました。

フレディ片足切断説の根拠

様々なブログの記事で事実であるかのように書かれている、「フレディ片足切断説」の根拠となったのは、2017年5月22日付Sunday Times誌の記事「Brian May exclusive interview(ブライアン・メイ独占インタビュー)」です。なお、この記事は会員登録しないと見れませんので、この記事がまとめられている翌日のThe Telegraphの記事「Queen’s Brian May reveals Freddie Mercury lost foot during Aids battle」をご参照頂くことをお勧めします。

The Telegraphの記事には下記のような記載があります。

まず題名が、

「Queen’s Brian May reveals Freddie Mercury lost foot during Aids battle(Queenのブライアン・メイがフレディ・マーキュリーはエイズの闘病の中で足を失っていたと明かした)」

とはっきり書かれていますね!?おいおい本当かよ…
また「足を失った」とする根拠となるブライアンの発言が記されています。

Speaking to the Sunday Times magazine, 69-year-old May said: “The problem was actually his foot, and tragically there was very little left of it.”

サンデー・タイムズ紙に対し69歳のメイは次のように語った。「問題は彼の足だったんだ。悲劇的なことに、足のほとんどの部分が残っていなかったんだ。」

また、この記事を元にして日本語で書かれた2017年5月29日付女性自身の記事「フレディ・マーキュリーの最期の苦しみ、ブライアン・メイが明かす」では、下記の記載があります。

闘病期間中のある日の夕食時、マーキュリーはメイに自分の片足を見せた。そこにあったのは、壊疽のためにそのほとんどを失ってしまった、「かつて足だったもの」だった。
-中略-
病気の進行は早く、マーキュリーは発病後、わずか数カ月で片足を失ってしまったという。

女性自身では、「壊疽のためにほとんどを失ってしまった」と意訳までして頂きはっきりと書いてくれてます。
ここまで見た段階で、「おいおいマジでフレディは足を失ってたのかよ…知らなかった…ショック」と思ってしまいました。またそれと同時に、「それっていつから?」「じゃあ、あのビデオは義足で撮ってたの?」などと様々な疑問が湧いてきました。

しかし、安心して下さい。やはりフレディは足を失っていませんでした。更に調べたところ、実はこのSunday Times誌の記事自体がガセネタだったのです。

ブライアンの反論(というかブチギレ)

Sunday Times誌の記事のリリース直後、ブライアンが彼の公式ホームページにコメントを出していました。2017年5月22日付Bri’s soapbox「THE SUNDAY TIMES – A RUBBISH ARTICLE, AND AN ABSOLUTE BETRAYAL OF TRUST(サンデー・タイムズ紙–クズ記事、信頼への完全なる裏切り)」をご覧下さい。

題名からも分かる通り、ブライアンは記事の内容を否定し、批判しています。

これによると、ブライアンはSunday Times誌に対して、当時出版を控えていた「Queen in 3D」(ブライアンが手がけたQueenの立体写真集です)について独占取材を受けたそうです。しかし実際の記事を見たところ、「Freddie and Me」という全く見当違いな見出しとともに「Queen in 3D」とは全く関係のないことが書かれていたとのことです。ブライアンは下記のように、Sunday Times誌を痛烈に批判しています。

None of this tired old stuff features in the book or was discussed in the interview.

このうんざりするような昔の話はこの本「Queen in 3D」では全く触れられていない。それどころか、この時のインタビューでは全く話題にも上らなかった。

This woman came into my house, pretended she was a fan and was going to write a nice piece about the book, as agreed – then went away and wrote this pathetic sensationalistic drivel.

この女性記者は僕の家に来て、ファンを偽り、当初同意した通り「Queen in 3D」に関する良い記事を書くと見せかけた。ところが、僕のもとを離れると、代わりにこの痛ましいセンセーショナルなたわ言を書いたわけだ。

This is not only crass sensationalism – it’s also a lie. I did not.

これはただの酷い扇情主義というだけではない。真っ赤な嘘だ。僕はこのようなことは語ってはいない。

I’m angry and disgusted. It’s been a long time since I’ve seen such crass journalism and experienced such a betrayal of trust. Folks, please ignore this trash – the book is nothing like this.

僕は本当に怒っていて、ムカついている。こんなに酷いジャーナリズムを目の当たりにし、信頼を傷つけられたのは本当に久しぶりだ。皆、頼むからこのゴミを無視してくれ–「Queen in 3D」はこんな本じゃないから。

めちゃくちゃキレてますね…(笑)
近年稀に見る…とまではいきませんが(博士はちょくちょく色んなところでキレている)

また本邦の「女性自身」さんに至っては、上記のブライアンのコメントが出ているにもかかわらず、1週間後にガセ記事を意訳までして出すというあまりにお粗末なことをしてくれちゃっていますね。このため、「フレディはエイズ闘病中足を切断した」という誤った情報が今、日本に蔓延してしまっているのです…

恐らく、ブライアンは↓この時の心境を思い出したことでしょう…(笑)

(ちなみに記事通り「エイズ発症(以前の記事にも書きましたが、1987年4月には検査でエイズ発症が分かったそうです)後、わずか数カ月で片足を失ってしまった」のが本当であるならば、このビデオの撮影時点(1989年9月)では片足を失っていることになりますが、全然そうは見えませんよね笑)

ということで、「フレディ片足切断説」は、センセーショナルな記事で注目を浴びようとしたイギリスの記者及び本邦にて記事を出した週刊誌の取材不足により蔓延した、完全なガセネタです!

ピーター・フリーストーン、ジム・ハットンによる証言

この時点でガセネタは確定しているのですが、「フレディ片足切断説」を否定する根拠をもう1つ。

フレディの豪邸「ガーデン・ロッジ」にてフレディと同居していたピーター・フリーストーン、及びフレディの最後の恋人であったジム・ハットンは、それぞれ「フレディ・マーキュリー-華麗なるボヘミアン・ラプソディー-』、『フレディ・マーキュリーと私』という著書の中で、フレディの最期について語っていますが、片足切断については一切触れられていません。むしろ、『フレディ・マーキュリーと私』には、フレディは死の2日前に、支えられながらではありますが自ら自宅内を歩き、自宅に飾ってる絵を見たという記録があるほどです。

これが、筆者が最初に「片足切断説」を目にしたときに、本当かな?と思った原因なんですよね。この2人なら、もしフレディが足を切断していたら絶対に書いているはずですし、今更そこだけ隠す必要もないのにな…と。

最後に…

この1件を通して思ったことは、QUEENに関する「説」について検証することは、なんだかちょっとリアルタイム感を味わうことができたようで、楽しかったなあということです(ポジティブ!)。

また何か、面白い記事が出てこないかなあ。今夜もネットサークィン(ネットでQUEEN関連のネタを漁ること)は続くのでした。

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